「装置がパワーを決める」ケースレーインスツルメンツ(株)社長嶋崎のインタビュー記事
○パワーデバイス用測定器で二十数年
○2013年パワデバ向けで10億円標榜
1946年にオハイオ州クリーブランドの地に誕生して以来、試験・測定分野に特化したさまざまなシステムを創出し続けているケースレーインスツルメンツ(米国オハイオ州、日本法人=ケースレーインスツルメンツ㈱ 東京都港区海岸1―11―1、電話03―5733―7555)。90年初頭パワーデバイスの市場に注目し測定装置販売を開始して以来、右肩上がりで伸長している。
パワーデバイス向け試験ソリューションの中でも、ロングラン商品となっているのが基本測定器「237型高電圧ソースメジャーユニット」。約二十数年の長寿命を実現している同測定器は、日本だけですでに累計1000台の納入実績を持つ。
「237型は最大電耐圧1100V(差動で2200V)までのパワーデバイス製品をI―V(電流―電圧)測定する。サブピコA(アンペア)の漏れ電流測定を実現する点が高く評価されている。当社のパワーデバイス関連ソリューションは、ボリュームゾーンの耐圧600V~1200V帯のIGBT、もしくは高耐圧パワーMOSFETで用いられるケースが多く、パワーデバイス関連売上高の約80%はこのボリュームゾーン向けである」(日本法人 代表取締役社長 嶋崎文雄氏)。
この他に、パワーデバイス向け基本測定器として2400シリーズを6システム、2600Aシリーズを6システム、248型高圧電源(最大5000V)のラインアップを揃え、最大電流40A、最大電圧5000Vをカバーしている。また1300Vまでの高耐圧スイッチ切換えが可能なスイッチング・マトリックス708Aなども用意している。パワーデバイスの測定では、ブレイクダウン電圧、リーク電流、I―V測定、C―V(容量―電圧)測定などが必要不可欠だという。
同氏は、今後のパワーデバイス向け測定器における改善点として、電流値および最大電圧の向上を挙げる。
「現状のラインアップでの最大電流は40Aである。しかし、車載向けなどのお客様はこれ以上の電流値を望んでおり、100A程度までの拡大を早期に実用化する必要を感じている。11年~12年には実現させたい。ただし、100Aで正確な測定を実現することは容易ではなく、高度な回路設計を要する。たとえば、DCをかけるとプローブが焼けてしまう、パルス幅を小さくするなど、さまざまな課題をクリアーしなければならない。また、最大電圧を現状から大きく引き上げる方向で開発を進めている。」
一方、今後は、SiCなどの新材料によるパワーデバイスでの信頼性特性測定の要求が高まると同社では見る。すでに、ACS(統合テストシステム)―Basicというソフトを組み込んだラック&スタック型特性評価カスタムシステムや、最大128個のデバイスを同時測定可能な「S500」WLR測定システム、1000V対応の量産用ターンキーシステム「S530」も提供するなど、先々のニーズに対応した製品群を投入し続けている。
また、社内に蓄積のあるウエハーマッピング用の標準ソフトを活かし、SiC、GaN向けに技術展開を図っている。SiC、GaN向けでは累計で50~60の研究所・企業に納入実績があり、今後も拡大が見込めそうだ。08年あたりから、新材料でも特性評価に加えて信頼性評価ニーズが車載向けを中心に高まっているという。
同社の設計開発部隊および生産部隊は、本社米国のクリーブランド工場に一貫で構築されている。また、ソフト開発部隊は中国の北京に集結している。一方、日本にはアプリケーションエンジニアが常駐し、日本の顧客ニーズに即したカスタム対応や、デモルームでの顧客対応などを担当する。日本のデモルームは日本法人と同オフィスの地下に1年前に設置された。パワーデバイスを直に持ち込んで測定を行う事例もあるという。
同社では今後も、パワーデバイス用に期待をかける。
「全社売上高のうち約25%をパワーデバイス向けが占めており、主力事業のひとつとなっている。半導体、ワイヤレス向けなどが減速する中、パワーデバイス向けは今後も年率25%伸長が見込める。パワーデバイス向けだけで10年は約5億円の売り上げを見込んでいるが、13年には同10億円を目標に掲げている。世界に冠たるパワーデバイスメーカーが集積する日本は当社の主力市場であり、日本法人の果たす役割は高い。今後もお客様の測定ニーズに最適な測定ソリューションを提供しながら、パワーデバイスの品質向上、高効率化に寄与していく。」(嶋崎氏)
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最終変更日 2012-01-14